ジャカルタのふろしき。

新卒でインドネシアはジャカルタに流れ着いて2年。日々生活で感じたこと、海外から日本を見て 思ったことなどを綴るブログ。最近JKT48にハマったため、関連の話題多めでお送りしてます。

インドネシアにおけるKポップの凄まじい人気 - ライブ参戦記

インドネシアではkポップが大人気で、卵が先か鶏が先かわからないけれどもサムスンの製品も絶好調。そんな中開催されたkポップのイベント、韓国公共放送局KBSの公開収録コンサート「ミュージック・バンク」に足を運んだ。

3月11日、場所はブンカルノ競技場のメインスタジアム。この競技場はジャカルタで一番大きな会場で、同スタジアムを使った外国人歌手は非常に少ない。スティングやマルーン5、ジェイソン・ムラーズも一段階小さい会場を使っている。近年では昨年9月、韓国の芸能事務所主催の「SMタウン・ライブ・ワールド・ツアー」に次いで2回目。
その前まで遡るとリンキンパークがこの会場をソールドアウトしている。つまり、この競技場をソールドアウトできるには相当なレベルの人気が必要で、kポップはそれを満たしている、と言えばすごさが伝わるだろうか。
もっとも、kポップのイベントは有名どころグループを何組も出演させるので、ひとグループごとの人気はその限りではない。今回のイベント出演は、男性アイドルグループのスーパージュニア、シャイニー、2PM、ビースト、インフィニット、ティーン・トップ、ソロのエル、女性アイドルグループのシスター。トップどころをそろえてきてるのはさすがだ。

30分遅れで会場入りし、スタジアムの三階まで階段を上った。階段を上っている途中、担架で若い女性が運ばれているのを目にした。周りの人に事情を尋ねると、興奮しすぎて倒れたらしい。すさまじい熱狂ぶりだ。
番号を確かめながら席を探そうとするが、客席入り口まで人がごった返していて入れない。125万ルピアのゴールド席チケットを買ったにもかかわらず、席がないどころかスタジアムの通路まで満員になっていて、入れない。
「2ジュタ(200万ルピア、約2万円)も払ったのになんで座れないのよ」と怒っている、ぼくと同じような状況の人も散見された。案内スタッフが全くおらず、無法地帯。仕方なく通路でごった返してる中に突入した。これがインドネシアクオリティ。今年の5月にブラーとエアロスミスのライブ参加予定なので、そのときには会場に早めに入ることを誓った。

じゃかるた新聞によると当日の来場者数は1万人とあったが、もっと多いんじゃないかな〜という印象だった。

さて肝心のライブ内容は、すごいの一言。ライブは観客と一緒につくるものだと再認識するような、凄まじい盛り上がりだった。特に、シャイニー、2PM、スーパージュニアと大トリに近づくにつれ盛り上がりが凄まじく、この三組の登場前はまさに会場一体のコールが巻き起こった。

個人的ハイライトはふたつ。
一つは、2pmのパフォーマンス。歌やダンスのクオリティはもちろん、ライブ慣れしているというか、楽しませ方が多彩だったように思う。例えば、衣装がかなり厚着なので、暑いんだろうな〜と思って見ていると、パフォーマンス後半には上着を脱いで、さらにシャツのボタンを開けだした。セクシーな姿にファンがさらに盛り上がる。
また、これは別のエントリで書く予定だけれど、mcの合間に会場のファンに向かって「今からポーズとるから写真とっていいよ」と呼びかけていたのに驚いた。冒頭の写真がそのシーン。会場の両サイドはじっこまで行くサービスっぷり。日本のショービジネスでは、ブロマイドや写真集およびライブdvdを売るために撮影は御法度。ところが今回のライブではその常識が崩されたので、すさまじいカルチャーショックを覚えた。

もう一つのハイライトは、人気テレビドラマシリーズの映像をモニターで流しながら、その主題歌を歌手が歌うというコーナー。人気シリーズの主題歌はやはり人気が高いのか、会場全体の大合唱が続いた。
途中、韓国版「花より団子」の映像とともに、主題歌を歌った歌手が登場し、会場が沸いた。「このドラマ、日本オリジナルなんだよ」と教えても見向きもされないだろうな、と少し寂しく思った。コンテンツ産業はクオリティだけではなく、広め方が重要だよな、と改めて感じた。

このライブのみでkポップをわかった気になる気は毛頭ないが、全体的な印象として、いくつかの特徴があったように思う。
打ち込みのダンスミュージックが多く、テンポ重視なのかメロディアスな曲はほとんどなかった。アルバムとかには入ってるのかもしれない。海外向けにはyoutubeなどにあがっているpvで拡散されているので、ダンスミュージックの方が人気が高いのかもしれない。動画だとダンスが映えるし、歌とダンスで二度おいしいみたいな。これは推測の域を出ないけど。

そしてダンスと歌がうまい。大トリのスーパージュニア以外は口パクじゃなかったと思う(アイドル産業に詳しいわけではないのであんまり自信ないけど)。知名度が低いグループはダンスの振りも激しいものが多く、大トリに近づくにつれて徐々に、いわゆるアイドルダンス風というか、ダンサー然としていないパフォーマンスが多かった。
後発のアイドルグループはクオリティで売ってくしかないのだろうか。

最後に、メンバーのうちの誰かひとりくらいは英語が話せるので、MCの反応がいい。これは日本の歌手にはない特色だった。

以上、インドネシアのkポップイベント参戦記でした。
途中でも書いたけど、ライブ中の撮影容認などに見る新興国向けショービジネスのビジネスモデルについて、jkt48もからめて次のエントリにまとめる予定。