ジャカルタのふろしき。

新卒でインドネシアはジャカルタに流れ着いて2年。日々生活で感じたこと、海外から日本を見て 思ったことなどを綴るブログ。最近JKT48にハマったため、関連の話題多めでお送りしてます。

インドネシア最古のジャズフェスティバルいってきた

先日11月25日(日)、国内で最も歴史があるジャズ音楽祭「第35回ジャズ・ゴーズ・トゥ・キャンパス」に行って来た。
会場はインドネシア大学(日本で言う東大)の経済学部棟。敷地がめちゃめちゃ広いので、学部ひとつの広さでフェスができてしまう。郊外にあるのでタクシー代をけちって電車で移動。タクシーだと15万ルピア(1400円くらい)ほどかかるところが8000ルピア(80円くらい)で済んだ。

「世界の宗教をざっくり理解する/新潮新書/島田 裕巳著」を読みながら最寄りの駅で電車を待つも、待てども来ない。タクシーで行くべきだったかと少し後悔するも、電車に乗ってみれば30分足らずで到着。しかも会場の大学の近くはめちゃめちゃ混んでたので結果的には大正解。

家を出たのが3時半過ぎで、会場に着いたのは夕方5時。もっと早く来ればよかったかな〜なんて思っていたが、着いてみると、夜の12時まで終わらない事が発覚し、もっと遅く来ても良かったかと思いつつ散策。

さて、会場に着いて、チケットを買う。冒頭の写真がチケット。
5万8千ルピア(550円くらい)でたくさんの音楽に触れることができる。今日の目当てはインドネシア人ポップシンガーのトンピと、日本人としては初めてこのイベントに出演するオレンジペコー。これだけでかなりご機嫌。

とても喉が渇いたので、レモンスカッシュと、小腹がすいた気がしたのでフランクフルトを頼んだ。レモンスカッシュを買った店では、自分の前の客がモヒートを頼んでいて、欲しくなってしまったけど、なぜかレモンスカッシュを頼んでしまった。生のレモンと瓶のソーダ水や、モヒートに生のミントを使うなど悪くないクオリティ。フランクフルトも悪くなかった。

各ステージのスケジュール表。

各ステージや配置を一通り見終わった後、おなかが減ったのでポテトとホットドッグを買った。ポテトはかなりうまかったけど、ホットドッグがすげーイマイチな上にさっき食べた悪くないフランクフルトより2、5倍高い。ぼったくりだけど、まあいい。
あと、気になっていたモヒートもさっきの店で買った。注文して作ってもらうと酒を入れなかったので、酒はあるかと尋ねると、酒を入れるなら5万だ、と倍の値段をふっかけて来た。が、瀬に腹は代えられない。インドネシア大学の中で酒を買えるとは思っていなかったし、さっき頼んだレモンスカッシュも悪くなかった上に、生ミントを使ったモヒートを飲みたかったので、割と気持ちよく払った。

フランクフルトを食べていると雨が降って来たので、食べ終わった後もしばらく座っていた。入り口に近いビタミンシーステージでやっている音楽が大音量で聞こえてくる。生のミントの香りとフレッシュレモンの味がきいたモヒートを飲みながら、雨模様の空を眺めて、ジャズを聴いていた。悪くないひととき。

しばらく座っていると雨から避難する客が飲食ブースに押し寄せて来た。7時も近くなりよるご飯の時間でもあったのだと思う。
椅子ひとつ空けたところで押し寄せた大勢が座れるわけでもないけど、雨が小振りになって来たので、少し氷が溶けて薄くなった残りのモヒートを持って、メインステージへ移動した。

目当てのトンピが8時から、その後オレンジペコー10時だったので、場所取りも兼ねて7時からのギグから聴くことにした。

そのギグはかなりハズレで、長髪のぽっちゃりしたおっさんが出て来て、いまいち盛り上がらなかった。途中からゲストで若い女の子が出て来て、おっさんといちゃつきながらデュエット。完全に二人の世界でいちゃつきながら歌ってるので、裏でやれって感じだった。これ絶対控え室でやってるだろみたいな、、、。

観客もかなりしらけたところで、トンピ待ちのMC。協賛メディアの名前をいちいち全部言っていたので、じゃかるた新聞も協賛すれば良かったな、なんて思いつつもし仕事してたらしっかりライブ見れなかったと思うのでこれはこれでありかなとか考えてるうちにトンピ登場。

ざっくり説明すると、トンピはスティービーワンダーを敬愛するポップシンガー。ジャズやソウルのテイストの強いアルバムや、「Soulful Ramadhan2」という宗教色の強いアルバムを出すなど、インドネシアを代表する音楽家。職場に音楽大好きな同僚がいて、彼に一番好きなインドネシア人歌手は誰かと聞いたところ帰って来たのがトンピだったのが、聴くようになったきっかけ。といってもアルバム二枚しか持ってないけど。下の写真中央がトンピ。ハットがトレードマークで常にかぶってる。

はっきり言って、今までのライブの中でも1、2を争うくらい気持ちよかった。
知ってる曲はあまりない。全くよれないリズムを刻むバックバンドに、心地よいメロディーが重なる。
たぶん打ち合わせにはなかったんだろうな、っていうトンピの急なフリにも完全に対応するバック。たぶん長い事一緒にやってるんだろうな〜という年期を感じさせる。完全な勘だからほんとのとこはわかんないけど。ギターもドラムもサックスも、パーカッションもベースも最高。
各楽器を指差して即興させたり、音をきったり、徐々に大きくしたり。指揮者みたいにステージ全体を動き回ってた。
ライブが終わったとき、ライブでのりのりだった気持ちが切れて、それまでの疲労がどっと押し寄せて来た。にもかかわらず、耳が、足が、体全体が幸せだった。心地よい疲労感。あと一曲って言われた時の残念な気持ちはでかかった。

途中、ゲストで9歳の男の子が出て来て、いっしょにプレイしてた。みかけは冴えないメガネのひょろいもやしっこだったけど、ピアノの前に座ると豹変。ソロをふられても他の楽器に負けないクオリティの即興プレイ。一曲で下がっちゃったけど、インパクトはでかかった。

次の次の曲でゲストがもう一人、こちらもさえないおばさんが出て来て、最初は誰だよ感半端じゃなかったけど、ピアノ弾かせるとすごくて、どうやら有名ジャズピアニストだった模様。即興もすごかったけど、他のバックバンドから比べると、息の合い方の点で若干落ちる感じ。童謡みたいな曲を合間に挟むユーモアたっぷりの演出もあったけど、ぼくにはギャグに逃げたような、置きにいった感が感じられて少し不満だった。逆にさっきの9歳の男の子のすごさが感じられた。

次の日に調べて分かった事だけど、トンピはインドネシア大学医学部の卒業生らしいので、母校凱旋ツアーでもあったようだ。歌うまくて楽器できて頭よくて医者ってすごすぎるだろ。

オレンジペコーまで30分くらい空くけど、最前列はしっこという悪くない場所なので動きたくない。足も疲れたし、正直MC何言ってるか分かんないし、ちょっとだるかった。
MCが時間を持て余したのかも仕込みだったのか分からないけど、素人を4人くらいステージに上げていじり倒してた。そのうち一人が日本人だった。観客を映すモニターを眺めていると、友人の紹介からFacebookでやりとりしてるのにいまだに会えてない人がいて、彼女も会場にいたのを発見した。すげーニアミス。

そんなこんなでようやくオレンジペコーの登場。

野外ステージで、ぼんやりと浮かぶ月の下。オレンジペコーのアコースティックを聞くにはもってこいのシチュエーションだ。夜をモチーフにした曲が多くて、ここに彼女ときてふたりで揺れる、、、なんてデートできたら最高だよな、って感じ。ギター一本のアコースティックなので、リズムは揺れ気味だったけどそれも含めた雰囲気は抜群だった。もともと好きだったけどライブに行った事はなかったので、とてもいい機会だった。

あと、個人的な創作活動において、メジャーコードばかり使った曲調がしみついているので、おしゃれなコード多用する曲が多いオレンジペコーを聞き込んだり、参考にしたいな、と思った。

オレンジペコー始まる前に、おわったら12時近くなるしどうやって帰ろうかな、なんて考えてると弊紙記者が取材に登場。これで車に乗せてもらえるラッキーてな感じで心配もなくなった。

オレペコ終わりで記者の取材を待って帰宅。ふたりで、音楽やりたくなって来たなんて話をしながら。
ジャランジャクサという安宿街のバーで、二人で演奏しようという話をしているうちに自宅に到着。就寝。
充実した一日だった。